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ICリアクター

IHI-ICリアクターは最先端な嫌気性排水処理装置

IC(Internal Circulation)リアクターは、酸素を必要としないメタン生成菌群の「グラニュール」を利用したUASB(Upflow Anaerobic Sludge Bed)法をさらに発展させた高性能な嫌気性排水処理装置です。

食品工場や飲料、ビール工場などから排出される高濃度の有機性排水の処理に適しており、従来の好気性処理装置に比べて、高速かつ高負荷で排水中の有機成分を分解し、バイオガス化が可能です。

※ BIOPAQ®ICリアクターはオランダPAQUES社との技術提携製品です。

3つのポイント

  1. 縦型円筒形のリアクターで省スペース化
  2. 二段式のセトラー(気固液分離装置)で安定処理
  3. グラニュール(微生物塊)が生成するバイオガスの利用

1. 縦型円筒形のリアクターで省スペース化

ICリアクターは、UASBやEGSB(ExpandedGranular Sludge Bed)法同様に、上向流の運転によってグラニュールを流動化させる嫌気性汚泥床技術に位置づけられます。また、EGSB法にセトラーの改良と内部循環流機能を付与し、更なる高速・高負荷での排水処理を可能としています。リアクター全体は縦型円筒形で省スペース化が図られており、好気性処理の曝気槽に比べ、敷地面積は約1/50まで縮小されます。現在ICリアクターの寸法は、高さ16~24m、内径1.5mから標準化しており、排水分野、量、濃度に応じ選定しています。

2. 二段式のセトラー(気固液分離装置)で安定処理

ICリアクターは、UASBのセトラー機能の限界を解決するため、内部に二段のセトラー(上部セトラーと下部セトラー)を有しています。 UASBやEGSBはバイオガス(気)、グラニュール(固)、処理水(液)の三相分離を一段のセトラーで行うのに対して、ICリアクターは下部セトラーで先ずバイオガスを分離・回収し、上部セトラーで処理水とグラニュールの分離を行います。下部セトラーで分離したバイオガスはライザー管と呼ばれる配管に収集され、上昇する際にエアーリフトポンプの原理が働き、リアクター内の処理水とグラニュールをリアクター頂部の気・液分離装置まで持ち上げることができます。

そして、バイオガスのみが取り出された後、処理水とグラニュールはリアクター下部の原水流入部まで自然流下し、排水と混合されて有機物(COD)濃度調整とpH調整が自律的に行われます。この内部循環流の働きにより、グラニュール流動状態が増して原水と効率的に混合するため、COD容積負荷は25~35kg/m3/dと高速・高負荷運転が行えることになります。

①原水流入部:排水はポンプによって、リアクター下部で内部循環水と混合された後、均一に拡散されます。
②反応部:排水中の有機物(BOD)はグラニュールの働きによってメタンガスと炭酸ガス(バイオガス)に分散されます。
③下部セトラー:反応部で発生したバイオガスを収集します。収集されたバイオガスはライザー管に集められます。
④ライザー管:下部セトラーで収集されたバイオガスが勢いよく上昇します。この時エラーリフト効果により処理水とグラニュールも同時に上昇します。
⑤気・液分離装置:ライザー管によって上昇したバイオガスとグラニュイール処理水からバイオガスが分離・除去されます。
⑥ダウナー管:気・液分離装置で分離されたグラニュールと処理水はダウナー管を通り、リアクター下部の原水流入部に戻ります。
⑦仕上げゾーン:未分離BODの仕上げ処理を行い、BOD除去率を更に向上させます。
⑧上部セトラー:処理水とグラニュールを分離し、清澄な処理水を取り出します。また仕上げゾーンで発生するバイオガスの補修も行います。

3. グラニュール(微生物塊)が生成するバイオガスの利用

グラニュールはメタン生成菌を中心とする嫌気性菌の自己固化能力を利用して得られるペレット状のバイオマスです。ICリアクター内では、数万ppmと高濃度で保持され、一般的なサイズは0.5~5mmで、断面には成長過程を示す年輪が確認できます。

排水中の有機物はこのグラニュールの生物反応により、メタンガスを主成分とするバイオガスへと分解され、ボイラーやガスエンジンの燃料となり熱回収や発電に活用できます。また、グラニュールは高い活性を有しているので、有機物濃度の変動にも追従してバイオガスを発生することができます。

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